スリランカの熱帯建築家のジェフリー・バワに多大な影響を与えた兄ベヴィス・バワ。
バワの人生の節目で大きく関わりのあった兄ベヴィスの生活を知ることで、バワをより一歩深く知ることができかもしれません。
あまり知られていないブリーフ・ガーデンの情報について、まとめました。
ジェフリー・バワ兄、ベヴィス・バワとは?
ベヴィス・ウィリアム・フレデリック・バワ(Bevis William Frederick Bawa/1909年4月26日 – 1992年9月18日)。
スリランカの熱帯建築家として知られるジェフリー・バワの兄で、弟ジェフリー・バワに多大な影響を与えたと言われます。
ベヴィスは、スリランカのランドスケープ・アーキテクト(景観を保全したり、デザイン、設計する仕事)であり、セイロン政府高官の副官でもありました。
父親のベンジャミン・バワはムスリムと英国人の両親を持つ成功した弁護士。ベヴィスはコロンボのロイヤル・カレッジで教育を受けましたが、17歳のときに英国滞在中の父親が急逝し、学業を離れたと言われます。
その後、母親により農園経営者に育てるため、親戚の農園に送り出されました。
それが、現在のブリーフガーデン(農園の土地を利用して造った庭園と邸宅)につながってゆく始まりです。
出典:http://www.lanka-excursions-holidays.com
ブリーフガーデン(Brief Garden)とは?
ブリーフガーデン(農園の土地を利用して造った庭園と邸宅)は、ベヴィスが父親から相続した約200ヘクタールものゴム畑の一部を利用して造り、1929年、ベイヴィスが21才の時に住み始めました。
庭造りやバンガロー(平屋家屋)を完成し、現在残る姿となるまでに15年かかりました。
この農園のバンガロー(ブリーフガーデン)の評判が伝わり、のちにベヴィスはコロンボの大使館や公共建築、個人の邸宅から同様の依頼を受けるようになったと言われます。
ベヴィスが亡くなった1992年当時のまま家具、調度品がおかれ、建物内部にはオーストラリア人芸術家、ドナルド・フレンド(ベヴィスの恋人)による芸術作品なども展示されています。
ジェフリーバワの庭園「ルヌガンガ」と比較してみるのも面白いでしょう。バワに関心に強い人は、是非訪問してみたい場所の一つです。
ブリーフガーデン内部の様子
ジェフリーバワの兄の庭園ですが、ジェフリーバワの庭園ルヌガンガとの対比で見てみるのも面白いのではないでしょうか。
庭園や家具や調度品も興味深いのですが、建物内部の展示や芸術作品が必見です。
特にブリーフガーデンで出てくるドナルド・フレンドというオーストラリア人の芸術家。
兄ベヴィスの同性愛の恋人であり、仕事のパートナーです。
ドナルドフレンドの装飾や作品は、ジェフリーの自宅にありますが、ブリーフガーデンはバワ兄弟の「私生活」を垣間見ることができる一番の場所だと思います。
ブリーフガーデンの庭園部分
ブランコのようなベンチ。弟のジェフリーバワには見られないタイプのデザイン。
庭園の一部は日本庭園のような趣で作られています。こちらは日本の灯篭のようにも見えます。実際のところ、ベヴィスは日本の庭園にも影響を受けていたと言われています。
ブリーフ・ガーデンの屋内、インテリア内装
インテリアは白い壁をメイン。家具調度品の配置がおもしろい。
下の写真の右側の白壁に埋められているのはワインボトルの底。
バワの兄、べヴィス・バワはオーストラリア人芸術家ドナルド(男性)と1949年に船の中で知り合い、恋におち、ここで暮らすようになりました。
ベイヴィスとドナルドはブリーフ・ガーデンには2週間の滞在予定だったところ、実際には5年半も、ここで共に暮らしたと伝えられます。
ブリーフ ガーデンの入場見学情報
施設側の都合により、開閉館、料金、見学方法は予告なく変わることがあります。
実際の訪問、予約にあたっては、下記の公式サイト等で必ず最新情報をご確認の上、お出かけ下さい。
原則は毎日午前8時~午後17時の時間帯で見学可能ですが、事前予約(※)が必要です。
ブリーフガーデンは、兄ベヴィス・バワから相続を受けた個人の所有で、現在もそのかたが管理をし、その方の設計事務所として利用されています。
設計事務所として2~3人くらいのスタッフがいますが、外出したり、その他の事情でスタッフが見学対応ができない可能性もあります。
予約をしておくと、スタッフのかたが庭や建物内部を英語で案内してくれます。(30分程度)
なお、現在のところ、宿泊はできないようです。
ブリーフガーデンへの行き方・アクセス、場所
ベントータ市内くら車で約20分。一般道から外れたわかりずらい場所にあります。
場所の到着7~8分くらい前から未舗装の細い道になり、大型バスは通行できません。
ベントータからスリーウィラー(自動三輪車)で行く方法が便利ですが、運転手が場所を知らないこともあってもおかしくありません。(弟ジェフリーのルヌガンガほどには知名度がない模様)
現地ガイドがいない場合、地図ソフトを使いながら、場所を探りながら行く方法で辿りつけるでしょう。
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