スリランカの熱帯建築家・ジェフリーバワは、現在のアジアのリゾートホテルの先駆けとなる数々のホテルを設計した建築家です。
ホテルを多く手がけましたが、ジェフリーバワは住宅建築も手がけています。
この記事では、建築家、人間としてのジェフリーバワを感じられる自宅、別荘、旧事務所の概要をまとめています。
ジェフリーバワとは?
ジェフリー・バワ(Geoffrey Bawa)は1919年、スリランカの裕福な家庭に生まれました。
子どもの頃から世界中を旅し、イギリスへ留学して法律を学びました。
27歳でスリランカへ帰国しましたが、再び世界放浪の旅にでかけ、その旅の途中で建築に目覚めたと言われています。
建築家としてのキャリアをスタートしたのは、38歳のとき。
ジェフリーバワ研究の第一人者、デイヴィッド・ロブソン氏によれば、バワが建築家としてスタートした38才以降、83才で亡くなる(2003年)までに手がけたプロジェクトは、合計で約70ほどあるとしています。(ホテル、個人邸、学校、公共建築などすべて)
その中でもホテルを一番多く手掛けており、それらはスリランカの南西海岸に集中しています。
ジェフリー・バワの設計した建物に一歩足を踏み入れた時の独特な世界、熱帯建築の空気感は格別です。
アマンリゾーツをはじめ、現在の東南アジアの最先端の高級リゾートホテルの先駆けとなり、現在、世界の有名建築家たちが、皆、ジェフリーバワから影響を受けていると言われます。
ジェフリーバワの自宅(スリランカのコロンボ)
スリランカの中心都市、コロンボにあるジェフリー・バワの自邸兼仕事場です。
コロンボ市、バガタレ・ロード33通り11番地にある番地に由来し、ナンバー11(イレブン)と呼ばれています。
増改築を重ねて、約30年かけて現在の姿となっています。
ジェフリーバワ(1919年-2003年)の生前のまま残しており、リビングや寝室のほか、旅での収集品、アート作品やタンティーク、ホテルで使用した椅子やテーブルなどの試作品が当時のまま保存されています。
ジェフリーバワはホテルをデザインする際、インテリアや家具調度品の配置など、細かいところにまでこだわって建築家と伝えられています。
まずはインテリアの試作品を自宅や別荘に置き、そこからホテルに取り入れたものも多く、プライベートな棲家は実験場でもありました。
現在、ジェフリーバワトラスト(財団)により、保護管理されていますが、内部に見学したり、宿泊したりすることも可能です。
宿泊は団体旅行では不可で、数名の個人旅行でのみ可能です。
バワが愛着と持ち、長い時間を過ごした住処というプライベートな空間では、ジェフリーバワを一層身近に感じられるでしょう。
さらに詳しい情報は、よろしければ、こちらをどうぞ。
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ジェフリーバワの旧事務所だったカフェ(スリランカのコロンボ)
スリランカの中心都市、コロンボで、地元民と外国人観光客に人気のあるカフェがあります。
「Paradise Road The Gallery Cafe (パラダイスロード・ザ・ギャラリーカフェ)」は、ジェフリーバワが、以前、設計事務所として使用していた場所を改装してオープンしたカフェです。
冠名の「パラダイスロード(Paradise Road)」は、スリランカのデザインブランド。
デザイン商品以外に、カフェ、レストラン、ホテルも運営しています。
ジェフリーバワは建物を売り渡す際、パラダイスロードのオーナーでデザイナーのシャンタ・フェルナンド氏の改装案を気に入り、快く提案を受け入れたと言われています。
落ち着いた雰囲気のカフェは、コロンボでも随 一のお洒落スポット。
在住外国人や観光客、ファッション感度の高そうなカップルなどに人気があり、いつも賑わっているそうです。
落ち着いた雰囲気のカフェは、コロンボでも人気のお洒落スポットで、ジェフリーバワのデザインが多く残されています。
食事もおいしいと評判のカフェです。
さらに詳しい情報は、よろしければ、こちらをどうぞ。
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ジェフリーバワの友人の邸宅:デ サラム ハウス
ジェフリーバワがデザインした住宅の中でも、一般にはほとんど知られていないのがデ・サラム・ハウス。
バワの親しいご近所さんだった音楽ファミリー、デ・サラム家のために作った邸宅で、2019年に一般見学が可能となりました。
デ・サラム・ハウスの特徴は「アートと音楽、バワの建築スタイルが融合し、調和した空間」。
音楽家であるオーナーの趣向や生活を色濃く反映している住宅建築です。
情報は、よろしければ、こちらをどうぞ。
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ジェフリーバワの別荘(スリランカのルヌガンガ)
ジェフリーバワの約80年の生涯の中で、おそらく一番好きだった場所がこの場所ではないでしょうか。
週末の邸宅、ルヌガンガです。
ルヌガンガ(Lunuganga)は、1948年、ジェフリーバワ29才のときに購入した約6ヘクタールの土地に造った広大な庭園、バワの別荘です。
コロンボ市内のナンバーイレブンが平日を忙しく仕事で過ごす仕事のための自宅。
ルヌガンガは、バワが自分の時間を過ごす場所、リラックスして建築デザインのインスピレーションを得るための理想郷と言えます。
40年以上の長い時間の造園、増改築を重ねてできあがり、建築家、人間としての歴史が凝縮されています。
コロンボ市内から離れた、少し不便な場所にありますが、ジェフリーバワは親しく、気の許せる友人だけをルヌガンガへ招いたと言われています。
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ジェフリーバワの兄の家、ブリーフガーデン
ジェフリー・バワの10才年上の実兄、ベヴィス・バワ(Bevis Bawa/1909–1992年)は、スリランカのランドスケープ・アーキテクト(景観を保全したり、デザイン、設計する仕事)で、セイロン政府高官の副官でもありました。
ジェフリー・バワに多大な影響を与えた存在と言われています。
べヴィスが親の広大な敷地を資産として引き継いで造ったのが、ブリーフガーデンです。
庭園や家具や調度品も興味深く、建物内部の展示や芸術作品は必見。
ジェフリーバワの庭園ルヌガンガとの共通性と相違点。
二人の対比で見てみるのも面白いのではないでしょうか。
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