ジェフリーバワのホテルに泊まる 旅のアドバイス

スリランカ人建築家、ジェフリー・バワ。自然と一体化した建築、独特な空気感のある空間が特徴で、アマン・リゾートをはじめとするアジアの高級リゾートホテルの原型になっていることで、近年注目されています。その独特な建築スタイルから「熱帯建築家」とも呼ばれます。

ジェフリー・バワは国会議事堂や寺院などの公共建築も手がけましたが、中でも最もバワらしさを発揮しているのがホテルと言えます。

ゲストの動線や視線、光や風を意識した設計で、建物の細部にまでこだわりが隠され、一般の旅行好きな観光客、建築やデザインに関心の強い専門家、また、ホテルライフを楽しむことが好きなお客様など、幅広い層に関心をもたれています。

ジェフリー・バワについて

ジェフリー・バワ(Geoffrey Bawa、1919年-2003年)について、簡単にご紹介します。

ジェフリー・バワは裕福な家庭に生まれ、子どもの頃から世界中を旅してきました。イギリスへ留学して法律を学び、27歳でスリランカへ帰国するも、再び世界放浪の旅にでかけ、その旅の途中で建築に目覚めました。建築家としてのキャリアをスタートしたのは38歳のときでした。

バワ建築は、写真で見るのと実際にその場に立つのとでは、スケール感や空間の印象が大きく異なることも特徴と言われます。バワ建築については、実際に訪問しないとわからないことが多いという感想を多くいただいています。

ジェフリー・バワ(財団)公式サイト http://www.geoffreybawa.com/

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画像出典 https://archnet.org/authorities/56

スリランカの気候、最適な訪問時期

スリランカの位置と気候の特徴

スリランカはインドの南、インド洋に浮かぶ島国で。面積は北海道よりも小さな国です。

赤道に近く「熱帯性気候」に属します。年間を通じてほとんど気温が変わらず、島の中央部の高原地帯を除けば、一年中夏のような気候です。

なお、ジェフリーバワのホテルは、大部分はスリランカの南西部、海岸沿いの街に集中しており、年間を通して温暖な気候(日中の気温は25~29℃くらい)です。

▼スリランカ旅行の定番ルート(ニゴンボ空港→ダンブッラ、キャンディ、コロンボ、ゴール)
(なお、中央部の高原地帯のキャンディには、ジェフリー・バワのホテルは無い)

訪問時期について

スリランカにも雨季はありますが、降雨量は10~11月、5月頃が比較的多いです。雨の多い時期でも、夕方以降にザッと降ってすぐ止むようなスコールが大部分です。東南アジア(ベトナムやカンボジア)などと異なり、比較的に雨季と乾季の差が大きくないスリランカでは、雨季を含め、年間を通じて訪問者はあります。

その中でも、例年、訪問時期として人気があるのは、雨量の少ない12月~3月です。(特に1~2月)

しかし、スリランカ訪問のピーク・シーズンの2月は、世界各国からの観光客が集中するため、ホテル代が高騰したり、ホテルによっては、半年くらい前でないと予約取れないといったケースも少なくありません。(特にバワ自邸の一つはルヌガンガでの宿泊は狭き門です)。

▲2月のスリランカ(シギリアロック)にて

スリランカを周遊する方法(個人旅行、団体ツアーそれぞれの利点)

個人旅行か団体ツアーか。それぞれの利点があります。

一つのホテルに長く滞在し、ゆっくり過ごすなら、個人旅行がお勧めですし、限られた期間になるべく多くを訪問見学する場合はツアーがお勧めです。一度、団体ツアーに参加した後、何年後かに一人(個人)で訪問するというお客様もいらっしゃいます。

スリランカの公共交通網・移動交通手段

スーツケースを持っての路線バスや鉄道などの公共交通利用では、少なからず不便さがあるでしょう。特にスリランカの鉄道は本数も少なく路線網も未発達で、車に比べて交通手段としては必ずしも利便性が高いとは言えません。実際のところ、車(タクシーや旅行会社手配の専用車)やバス利用が多いようです。

また、ジェフリーバワのホテルはリゾートホテル的な趣向で造られた建築でもあり、宿泊料金も決して安いとは言えません。できるだけ安い費用で、多くの町に長く滞在する「バックパッカースタイル」は、インドなどと比べると少ない傾向があるように思えます。

個人旅行の場合

ジェフリーバワのホテルが集まる地域はいくつかにわかれますが、それぞれの地域の中でホテルは「点在」しています。

個人旅行の場合は、宿泊拠点を2~3か所にしぼり、その間は思い切ってタクシー利用、もしくは、旅行会社で専用車(セダンやバン)というのも良い方法でしょう。但し、おすすめの二大ホテル(ダンブッラ近郊の「ヘリタンス・カンダラマ」とゴール近郊の「ジェット・ウィングライトハウス」)では、陸路で約280kmほど離れています。

この2か所に泊まる場合、中間地点であるコロンボを基点に、移動方法を分けて考えることがお勧めです。バワのホテルが集中している南西部の海岸沿いは、コロンボ〜ゴール間の鉄道路線は走っており、インド洋の景色を楽しめるようです。

個人旅行の利点と注意

個人旅行の良さの一つは、旅のプラン作成上の自由度が高いことです。自分の好みに合わせてカスタマイズできます。とくに各地のホテルにゆっくり滞在し、ホテルライフを楽しみたい方には、向いている旅行スタイルと言えます。

ただし、ヨーロッパなどと比べて、公共交通が便利に発達していないので、専用車を手配した場合は別として、各訪問地で自力で自由に動きまわるには、少なからず不便さが出る可能性があります。

団体旅行の場合

団体ツアーの場合の専用バスをチャーターして周遊するスタイルになるでしょう。

スリランカの場合、バスのサイズも様々で、10名以上の場合もあれば小型や中型バス。5~6名の場合はヴァンタイプやミニバスなどでアレンジが可能でしょう。

団体旅行の利点と注意

団体旅行の利点は、効率的であること、見慣れぬ旅先での「旅の準備(下調べ)」に時間をかけなくてよいことでしょう。旅の準備やお世話という点では旅行会社がすべてを準備してくれるので、旅行出発前は、見学モニュメント(建築)の予備知識や勉強に集中できることでしょう。(現地ガイド付きツアーでは、その予備知識や事前勉強がなくとも、かなり楽しめるはずです)

また、他の参加者との交流、特に同じものを見聞しても人によって受ける印象や感想は異なります。そのような他の参加者の見方や意見を聞くことで、捉え方の幅が広がったり、バワ建築をより深く感じとれる場合があります。

ジェフリー・バワのホテルではキャパシティ(1つのホテルの部屋数)や空き状況の関係上、大人数の団体の場合(たとえば、25名以上くらい)、バワ建築を泊まることを目的としたツアーは設定を慎重に行う必要があります。部屋ができなかったり、宿泊地によって、グループで複数個所の宿泊に分かれる分泊になる方法も検討しなければなりません。

但し、ジェフリー・バワのホテルにこだわらなければ、魅力的なホテルは多く、一棟を貸し切る等、大型コンベンションなども引き受けているホテルもあります。

ルヌガンガの部屋など全体をしっかり見るなら

また、ジェフリー・バワ建築最大の見どころの一つでもあるルヌガンガ(バワが週末を主に過ごした邸宅)は宿泊者以外は、宿泊エリアを見学することができず、庭園部分のみの見学しかできません。

たとえば建築の専門家集団が、ルヌガンガの全6部屋の内部を見ることを希望する場合、ツアーで全室を貸し切る必要があります。この方法はツアーではなければ難しいでしょう。

ジェフリーバワ建築を知る、おすすめの書籍


熱帯建築家: ジェフリー・バワの冒険 (とんぼの本)

▲世界的な建築家となった隈研吾さん、そして、旅行作家でホテルに詳しい山口由美さんによる共著の本です。ジェフリーバワを代表する建築を写真付きでコンパクトにまとめられており、たいへん便利な本で、入手しやすい価格であることも嬉しいです。日本ではジェフリーバワ関連の書籍はさほど多く出ていませんが、バワ建築の基本情報、一般的な情報としては、これ一冊あれば、かなり事足りる内容となっています。


解読ジェフリー・バワの建築―スリランカの「アニミズム・モダン」

▲建築家・岩本弘光さん著。時間をかけた丹念な取材によってできた建築書と言えます。 かなり突っ込んだ内容となっており、財団所有の貴重な図面も併載しているところは圧巻です。