インドのル・コルビュジエ作品と世界遺産建築【後編】

2016年、ル・コルビュジエの全世界の建築作品の中の17がユネスコの世界遺産に登録されました。その一つがインドのチャンディーガルです。チャンディーガルはコルビュジエが世界で唯一、都市計画を実現させた都市。数々のル・コルビュジエ作品を見ることができます。

前編のアハマダバードに続き、チャンディーガルのル・コルビュジエ建築、そして、インドが世界に誇る世界遺産の伝統建築を写真でご紹介します。

チャンディーガルのル・コルビュジエ建築(世界遺産)

チャンディーガルは首都デリーから高速列車で約3時間半。飛行機では約1時間の場所にあります。

▲現在のチャンディガールの街(画像出典(Photo Source) http://takeme.co.in/chandigarh )

▲チャンディーガルのプランのコピー(出典元:建築倉庫ミュージアム「ル・コルビュジエ / チャンディガール展」)

チャンディーガルの街のグリッド状に配置された各セクター(区域)の大きさは、1200m×800m(1.2km×0.8km)。それぞれのセクター内で「住む」「働く」「レジャー」の3つが成立するよう設計したという。当初は47セクターが計画され、その後、拡張し、現在は65ほどのセクターから成る。

チャンディーガルではコルビュジエのほかにピエール・ジャンヌレ(コルビュジエとは従兄弟のスイス人建築家)、イギリスの都市計画家でモダニズム建築家のマクスウェル・フライらが手がけた建築も残されている。

キャピトル・コンプレックス(ル・コルビュジエ作品)

町の北東部に位置するセクター1に主要な行政機関が集まっている。ここが、世界文化遺産に登録された「チャンディーガルのキャピトル・コンプレックス」。コルビュジエが設計した一連の行政機関の作品群で、「高等裁判所」「合同庁舎」「議事堂」の3つの建築物。「影の塔」「オープン・ハンド」と呼ばれる2つのモニュメントがあります。

▲合同庁舎(キャピトルコンプレックスの一部/チャンディーガル)

▲高等裁判所(キャピトルコンプレックスの一部/チャンディーガル)

▲州議事堂(キャピトルコンプレックスの一部/チャンディーガル)

▲影の塔。小規模だが、ル・コルビュジエの「光」に対する理論を実証した作品と言われる。

▲影の塔と高等裁判所

▲開いた手のモニュメント「オープン・ハンド・モニュメント」。チャンディーガルの都市理念である”Open to receive and give”というメッセージが込められている。

美術館(ル・コルビュジエ作品)

セクター10には博物館や美術館が集まっている。コルジュジエ設計の美術家(下の写真)の隣には「チャンディーガル建築博物館」があり、設計図や建築模型など、チャンディーガルの都市設計に関する展示が集められている。

▲美術館(Museum&Art Gallery)。

世界に3つしか存在しないコルビュジエ設計の美術館のうちの一つ。「①東京の国立西洋美術館」「②チャンディーガルの美術館(Museum&Art Gallery)」「③サンスカル・ケンドラ美術館(Sanskar Kendra Museum)」の3つをして、“コルビュジエの美術館3兄弟”と言われる。

▲チャンディーガル建築博物館

▲チャンディーガル建築博物館にて。チコルビュジエのほか、ピエール・ジャンヌレ、マクスウェル・フライ&ジェーン夫妻の写真。

写真下のコメントには、「新しいチーム:ル・コルビュジエの非常に自信を持ったビジョン(先見性)も、いとこであるピエール・ジャンヌレやマクスウェル・フライ夫妻に支えられたに違いない」といったことが書かれていて、興味深い。

実際のところ、チャンディガール計画は、コルビュジエの弟子だったインド人のドーシ(当時26歳)、故郷をともにするピエール・ジャンヌレ、英国の近代建築の先駆者マクスウェル・フライらの支えなくして、実現しなかったのかもしれない。

ル・コルビュジエセンター

ル・コルビュジエの写真や手紙、建築の写真が展示されている。画家でもあったコルビュジエの水彩画やスケッチも展示され、コルビュジエの多様な魅力に触れることができる場所。

▲コルビュジエセンターにて

その他の見所「ロック・ガーデン」

コルビュジエとは直接関係はないが、廃材アートの庭園「ロック・ガーデン」。1950~70年代に都市化が進むとともに大量の廃材が出はじめた。敷地内へ入ると陶器のかけらなどを壁に埋め込んだ公園ができはじめた。

▲ロック・ガーデン▲若干、スペイン、バルセロナにあるガウディの「グエル公園」のような風情?

▼バルセロナのグエル公園(ガウディ作)▼

なんともユーモラスな廃材アートです。

インドを代表する伝統建築群(デリー、アグラ)

デリーに残るインド伝統建築(世界遺産)

▲“赤い砦”を意味する名のラール・キラー(世界遺産)

▲インドを代表する最高傑作建築タージ・マハルのもとになったと言われる、フマユーン廟

▲首都デリーの中心地に建つデリー門

アグラのインド伝統建築(世界遺産)

▲アグラ城。イスラム王朝であるムガール帝国時代のもの。イスラム建築の特徴が顕著に出ている。

▲アグラ城。同じくムガール帝国時代のもので、門構えにもイスラム建築の特徴が顕著に出ている。

▲アグラ城。

▲インドを代表する最高傑作建築タージ・マハル

アハマダバードのル・コルビュジエ建築

前編「アハマダバードのル・コルビュジエ建築」はこちらをご覧ください。

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