フィンランド アルヴァ・アアルト

アアルト建築おすすめ10選:マイレア邸やパイミオ等、フィンランドのアールト代表作品

北欧を代表する建築家、アルヴァ・アアルトが生涯で手がけたプロジェクトは、フィンランドを中心に、エストニア、ロシア、ドイツ、フランス、イタリア、スイスにわたります。

その中でもアアルト建築の大部分が見られるのがフィンランド。

この記事では、フィンランド国内にあるアアルトの代表建築作品10か所をまとめました。

おしゃれな北欧デザインの世界をお楽しみください。

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アアルトが住んだ場所、活動拠点

アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)、本名フーゴ・アルヴァ・ヘンリク・アールト(Hugo Alvar Henrik Aalto, 1898年2月3日 - 1976年5月11日)は、東ボスニアのクオルタネという小さな村で生まれました。

測量技師の父のもとに育ったアルヴァアアルトは、1903年(15才の時)、フィンランドのユヴァスキュラへ引っ越しました。

その後、1916年(アアルト18才)、ヘルシンキにあるヘルシンキ工科大学(現在、アアルト大学)へ入学。

大学卒業後、1923~27年まで再び故郷のユヴァスキュラへ戻り、設計事務所を構え、アイノと結婚しました。

その後、1927~32年までを当時、フィンランドにおける機能主義的建築(モダニズム)発信地だったトゥルクで過ごし、アアルト1933年(35才)に家族で移住し、再びヘルシンキでの生活を始めました。

1949年妻のアイノと死別。その後、セイナッツァロ町役場の仕事を通じて知り合ったエリッサと1952年に再婚しました。

夏の間はムーラッツァロ(セイナッツァロ郊外)にある実験住宅「コエタロ」で過ごしたと言われます。

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アアルトの自邸

アアルトハウス、アアルトの自宅兼事務所。

1934年アイノとアルヴァ・アアルトはヘルシンキの中心部の北西約6km、ムンキニエミ地区(Munkiniemi)地区のリーヒティエ通り(Riihitie)の自然豊かな場所に土地を購入。

アールトの自宅兼事務所は、アルヴァの妻アイノの二人で設計し、1936年に完成しました。

夫妻は自然の素材を使い、シンプルなデザインにする事で、モダン建築をソフトに表現。様々な素材や工法を試しました。

道り側の外観は質素にデザインされ、閉鎖的に見えますが、庭や開放的な室内は手の込んだ作りとなっています。仕事場とプライベート空間では使用する素材を変え、2つの空間を分けています。

アールト自邸の外装はレンガ表面を漆喰で仕上げられ、窓の配置からは機能主義の考え方が取り入れていることがわかります。居住スペースの外装には薄く塗装された小割りの板が使われ、建物の屋根は平らで南に面した大きなテラスが設けられています。

この自宅兼事務所は、1955年、ティーリマキ通り(Tiilimäki)に新しいアトリエが完成するまで設計事務所として使われました。

アルヴァ・アアルトは1976年に亡くなるまでこの家で暮らし、その後は後妻のエリッサ、そして彼の親族が住んでいました。現在は、アアルト・アアルト財団により管理され、自邸内にはミュージアムショップがあります。

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アアルトのアトリエ

アアルトのアトリエ(設計事務所)はヘルシンキのムンキニエミ地区(Munkkiniemi)、アールトの自邸兼旧設計事務所から約500mの徒歩圏内にあります。

アルヴァ・アアルトは、

建築芸術は、いわゆる事務所的な環境では生まれない。

と語りました。

設計事務所には、自由な形のアトリエと自然光の差し込む製図スペースを設計し、円形劇場のような形で中庭を囲っています。

アアルトのアトリエ(スタジオ・設計事務所),ヘルシンキ(フィンランド)

1955年、敷地の傾斜を活かして建てられたアールトのアトリエには、パイミオチェア、スツール60、アルテックの名作椅子やテーブルが配置。アアルトがデザインした照明、曲げ木のサンプル、建築模型や図面も展示されています。

現在この建物は、アルヴァ・アアルト財団の本部オフィスとして使用されています。

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ヘルシンキのアアルト建築群

その他、ヘルシンキには、サヴォイベース(花瓶)が生まれたサヴォイ レストランアールトカフェのあるアカデミア書店などがあります。

ヘルシンキのアアルト建築群はこちら(別記事)をどうぞ。

アアルトの自邸兼事務所(ヘルシンキ)
関連記事ヘルシンキで見られるアアルト建築 おすすめ7選:自邸やアトリエ等

北欧を代表する建築家、アルヴァ・アアルトの建築やインテリアデザインを多く残るのがフィンランドのヘルシンキ。 ヘルシンキにあるアアルトの代表的なプロジェクト8か所をまとめました。

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コッコネン邸

アアルトが手がけた芸術家の住宅建築。

ヘルシンキの北、約40km。トゥースラ湖周辺の環境は、画家、作家や作曲家などの芸術家たちに好まれ、1800年代から1900年代にかけて、フィンランド芸術の黄金期に多くのアーティストが移住した地域です。

この地域には画家や音楽家などアーティストたちのコミュニティーが生まれました。

 

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Guided tour, mini concert, herring bread and moisty cake for a group of 40 visitors on 14th of Jan // Opastettu kierros, pienoiskonsertti, sillivoileipä ja kakkukahvit olivat vierailupakettimme 14.1., kun saimme vieraaksemme 40 hengen ryhmän Espoosta #alvaraalto #aalto #alvaraaltosvillakokkonen #alvaraaltoarchitecture #aaltocities #aaltouniversity #iconichouses #modernarchitecture #midcenturyarchitecture #midcenturymodern #architecturephotos #architecturedesign #architecture_hunter #nordichome #residence #designinspiration #arquitectura #architettura #visitalvaraalto #visitfinland #visithelsinki #finnisharchitecture #traveldestination #aaltokaupungit #museokortti #villakokkonen #hyväjäke #järvenpää #matkailu #arkkitehtuuri

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コッコネン邸(Villa Kokkonen、1967-1969年)は、作曲家ヨーナス・コッコネン(Joonas Kokkonen)にアアルトが設計。アルヴァ・アアルトが手がけた個人住宅の中でも、唯一芸術家のために設計した珍しい家です。

アルヴァ・アールトと作曲家ヨーナス・コッコネンとの出会いは、フィンランドアカデミー会でした。

コッコネン邸は平屋で多面形状で、自然の光の入る木造家屋。扇形の家は寝室とキッチン、ダイニングルームとリビングルーム、そして家の中心となる大きな作曲家の仕事部屋の3つに分かれています。

この建物の中心となっているのは、素晴らしい音響効果を実現したコンサートルーム。グランドピアノを中心に配し、素晴らしい音響と防音効果を兼ねそろえた室内で、落ち着いて作曲ができるようにしました。

コッコネンはこの家に27年間住み続けました。

現在のオーナーであるエリナ・ヴィータイラ(Elina Viitaila)とアンティ・ペソネン(Antti A. Pesonen)は音楽とコッコネン邸を愛し、大切に住み続けています。

パイミオのサナトリウム

パイミオのサナトリウムはトゥルク近郊の森の中にあります。結核患者の療養所(サナトリウム)として、1929年に着工、1933年に完成しました。

現在は、トゥルク大学付属の総合病院として用いられています。

アルヴァ・アアルトは妻アイノとともに、結核患者の療養に必要な要素を慎重に検討。細部に至るまで細やかな配慮を重ねました。

エントランス棟の南側に6階建ての病室棟があり、それぞれの病室は南東を向き、朝日を浴びることができる一方で、西日が避けられるようになっています。

内部は、余計な音がたたないよう考慮された流し台、柔らかなカバーを被せたドアノブ、まぶしさを軽減した穏やかな照明、風を用いない暖房機能、心を明るくするカラフルな床などです。

最上階には、結核患者に大切だった日光浴や外気浴をするためのテラスが設けられています。

パイミオチェア

パイミオのサナトリウムでは、アアルト夫妻は従来の機能主義的なモダニズムを継承しつつ、自然素材による柔らかく有機的なフォルムを実現。

結核患者の心身を考慮した結果、モダニズムデザインの素材として一般的だったスチールではなく、フィンランドに豊富に存在している木材を使用し、有機的な曲線を多用した家具へと落とし込みました。

軽量、かつ掃除や手入れが簡単、病気をもつ人の体に優しい温かみのあるアールトのパイミオチェアはその代表格です。

パイミオチェアは機能主義とヒューマニズムが融合した椅子の傑作で、今日も使用されています。

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トゥルク新聞社ビル

アルヴァ・アアルトは1927年から1933年までトゥルクに住んでいました。トゥルクは中世からの歴史ある町ですが、アアルトが時期に建築や家具デザインの新しい時代がトゥルクから生まれました。

1920年代初め、フィンランドの建築家の中で初期の機能主義を代表するエリック・ブリュッグマン(Erik Bryggman)もトゥルクに設計事務所を構えていました。

アアルトはエリック・ブリュッグマンと協力し合いながら、仕事をしました。

Turun Sanomat©Maija Holma/Aalto Foundation

Turun Sanomat©Maija Holma(Aalto Foundation)

トゥルクでアアルトが設計した3つの機能主義建築の中で有名なのが、トゥルク新聞社ビル。

1928年からトゥルン・サノマット新聞社が使用するようになったビルで、1920年代から1970年代のフィンランドモダニズムの重要建築に認定されています。また、2012年には文化財に指定され、建造物保護法が適用されています。

それ以外にもトゥルクでは、旧南西フィンランド農業協同組合ビル(現在、オメナホテル)、スタンダードアパートメントハウス(Standardivuokratalo)がアアルトの設計です。

トゥルクを訪れる際、もう一つのおすすめ建築が「復活の礼拝堂」。エリック・ブリュッグマン(Erik Bryggman)による作品です。

トゥルク復活の礼拝堂

マイレア邸

アアルトが手がけた住宅建築の最高傑作。

 

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Helsinki - Day 4 // Villa Mairea. @artekglobal @vitrabrasil thank you só much for making a dream come true! #pitainhelsinki #alvaraalto #villamairea

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マイレア邸(Villa Mairea)はヘルシンキからは約260km北西、ポリ市(Pori)のノールマルック地区にあります。

マイレヤ邸は、1939年、アルヴァ・アアルトと妻アイノの親しい友人であったグリクセン家のハリーとマイレの邸宅として設計され、内装は妻アイノ・アアルトが手掛けています。

アアルトは、当時のヨーロッパで広がっていたモダニズム(機能主義)を取り入れつつ、フィンランドの自然と歴史に根差した独自のモダニズム建築を目指しましたが、マイレア邸はその代表的存在。イデオロギーよりも人間を中心とした設計思想をもつアアルトの考え方が随所に見られます。

ムーラッツァロのコエタロ(実験住宅)

フィンランド語のコエタロ(KOETALO)は「実験住宅」とか「実験場」の意味で、建築的な数々の実験を試みた、アアルト夏の別荘です。

セイナッツァロの町役場からバスで10分ほど、ムーラッツァロに実験住宅「コエタロ」があります。

 

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There are few places in Finland as breathtaking as the Muuratsalo Experimental house. Hidden in the middle of the forest, it overlooks the waters of lake Päijänne from its intimate courtyard, whose walls come alive with bricks of many shapes and kinds. The Muuratsalo Experimental house was designed by Alvar Aalto between 1952-54 as a summer cottage for him and his architect wife Elissa, and as an opportunity to experiment new architectural solutions, hence the name. Together with our three other sites: the Alvar Aalto Museum, the Aalto House, and the Studio Aalto, it can now be visited and discovered again by lovers of both Finnish architecture and landscape. The guided tour, crossing the suggestive forest overlooking the lake, also includes the Aalto-designed smoke sauna and motorboat called ‘Nemo Propheta in Patria’. Keep in mind, however, that because of this special setting the visit requires a few precautions, all the more important this summer in order to ensure maximum safety: - The house can only be accessed on a guided tour and tickets should be bought beforehand from the web shop. In case there are no reservations, the tour will not take place - The online sale of tickets ends two hours prior to the tour. - The guided tour starts from the gate giving access to the forest around the house. The forest area is private, and can only be accessed on a tour. - The path through the forest consists of duckboards, and is therefore not suitable for wheelchairs and strollers. -We are pleased to inform that guided evening tours are arranged on Wed 10.6. and 24.6. at 5.30 pm! Photos: 1. The inner courtyard – Photo: Janina Kastikainen / Alvar Aalto Foundation 2./3. The living room – Photo: Maija Holma / Alvar Aalto Foundation 4. A sketch of the main building and patio with its fireplace – Drawing: Alvar Aalto Foundation 5. Sauna – Photo: Eino Mäkinen / Alvar Aalto Foundation #alvaraalto #alvaraaltofoundation #visitalvaraalto

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アアルトが夏の間過ごしたと言われている、実験住宅、コエ・タロはセイナッツァロ(ユヴァスキュラの郊外)の町役場からバスで10分ほどの場所、ムーラッツァロにあります。

セイナッツァロの町役場

アアルトのレンガ造りを中心とした設計手法がはじまった複合施設。

 

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ユヴァスキュラのアールト博物館

ユヴァスキュラはアルヴァ・アアルトがヘルシンキ工科大学(現在のアアルト大学)を卒業後、1923~1927年(25~27才の時)に住んだ町。

アルヴァアアルトが構えた設計事務所に後に妻となるアイノが入所し、1924年10月6日、二人は知り合って約半年で結婚しました。

ユヴァスキュラでアアルトに関心がある人必見はアアルト博物館

アアルト建築の模型や家具の展示、サヴォアベース(花瓶)の生産工程の映像など、わかりやすく展示されています。

アアルト建築の重要ポイントを短時間で勉強したり、おさらいすることができるでしょう。

 

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Lovers of Alvar Aalto’s architecture will find great delight in visiting the Finnish city of Jyväskylä. Aalto lived in Jyväskylä as a child, and he opened there his first architectural office in 1923 after completing his studies in Helsinki. After moving away in 1927, he nurtured a lifelong connection that resulted in the completion, throughout the years, of 29 Aalto-designed buildings in the city and surrounding area. Within this rich patrimony, two houses are owned and managed by the Alvar Aalto Foundation: The Muuratsalo Experimental House and the Alvar Aalto Museum. The latter is perhaps the heart of this architectural heritage: completed in 1973, it showcases Alvar Aalto’s lifework within its “Alvar Aalto. Architect” exhibition. It provides a wider look on the Maestro, enhancing the experience of visiting any other Aalto building. The museum develops on two floors: on the ground area is the entrance, cloakroom, Café Alvar and Alvar Aalto Shop, while the upper floor is dedicated to the displays. This summer, safety precautions have been adopted, and visitors will be instructed on hygiene measures. It is possible to be guided through the exhibition on a tour, and private visits outside of opening hours can be arranged by contacting: museum@alvaraalto.fi For information about tours and for the purchase of tickets, visit our website: https://www.alvaraalto.fi/en/location/alvar-aalto-museum/ June opening hours are: Tue-Sun 11.00 – 18.00 During July and August the museum will be open: Tue-Sun 10.00 – 18.00 Photos: 1. The Alvar Aalto Museum immersed into nature – Photo: Janina Kastikainen © Alvar Aalto Foundation 2. Main entrance – Photo: Maija Holma © Alvar Aalto Foundation 3. The Aalto-designed courtyard between the Alvar Aalto Museum and the Museum of Central Finland – Photo: Maija Holma © Alvar Aalto Foundation 4. Entrance and stairs leading to the exhibition – Photo: Janina Kastikainen © Alvar Aalto Foundation 5. Permanent exhibition with the curved wall clad in wood reminding of Aalto’s pavilion for the New York World Fair of 1939 – Photo: Tatjana Rukavitsona © Alvar Aalto Foundation #alvaraaltofoundation #alvaraalto #visitalvaraalto

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その他にも、ユヴァスキュラのアアルト建築は、ユヴァスキュラ市立劇場(Town Theater、Jyväskylän kaupunginteatteri)、ユヴァスキュラ大学、労働者会館などがあり、すべてを観ようとすると最短でも半日。

落ち着いてみる場合は終日(丸1日)見込んでおく必要がありそうです。

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