ジェフリーバワの理想郷「ルヌガンガ(自邸)」での宿泊

「ルヌガンガ(Lunuganga)」は他のジェフリーバワ建築(多くがホテル)とは一線を画します。

それは、ルヌガンガがバワが住んでいた住居で、まさに「バワそのもの(バワという人間)」が最も強く感じられる場所だからです。

コロンボ市内の「№11(ナンバーイレブン」がバワが日々の仕事のために過ごしていた個人邸兼仕事場とすれば、ルヌガンガは、週末を過ごすために作られた理想郷。設計の年代も1948年~98年と、長い時間の増改築を重ねてできあがり、バワの建築家としてのキャリア、バワの人となりや人生が凝縮された場所といえます。

ルヌガンガ最大のみどころは庭です。若き日に憧れたイタリア、留学先だった英国のカントリーハウスの要素も取り入れられ、バワが強く影響を受けたもの、バワの個人的な趣味、趣向が庭の随所に反映、表現され、この庭をよく散策しながら、多くの建築インスピレーションを得ていたとされます。

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写真出典:Geoffrey Bawa Trust

バワはルヌガンガのいろいろな所にお気に入りの居場所を作りました。たとえば、陽が沈む夕方6時になると、湖をのぞみながらジントニックのグラスを傾けていた石垣の腰かけ。アフタヌーンティーを飲み、竹林から覗く池からの風を感じる居場所・・・。いろいろなお気に入りの場所にイスとテーブルを配置し、時間とともにどんどん変わっていく空間の色の中で、お気に入りの時間と風景を楽しんでいました。

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▲敷地内には古びた鐘がところどころにあり、たとえば、喉が渇いたときに冷たい飲み物を飲みたいときは、この鐘をならして使用人を読んだといいます。

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ルヌガンガを訪れた際、ぜひしておきたいのが、食事です。バワがいた当時の料理人が、今も同じレシピの食事を提供し、バワが好んで食べていたメニューの追体験ができます。実際、ここでの食事は庭の雰囲気も手伝い、とても好評です。(ただし、ここでの食事は事前予約が必要ですし、見学とセットだからこそ、良いのだと思います)

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ルヌガンガは、ホテルとして宿泊することも可能です。ヘリタンス・カンダラマやジェットウィング・ライトハウスを建設するときに試作した「ザ・シナモンヒルハウス」の2室。バワの友人たちの客室として使われていた「ゲストルームハウス」、バワのコレクションを保管していた「ギャラリールーム」など、全6室。

各部屋のサイズや仕様や内装はすべて異なり、それぞれに特徴的です。ルヌガンガを一般的な意味での“ホテル”とは、思わないほうがよいかもしれません。洗練されたホテルのような便利やサービスはなく、決して快適な宿泊施設とは言えません。もともとホテルとしてではなく、バワの個人宅として作られた全体構造や各部屋の仕様からすれば、当然といえば当然ですが。しかしながら、バワという人間を感じ、バワ建築の理解を深めるに、とてもおすすめな場所です。

▲コテージテラス

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▲ゲートハウスルーム。もとは1960年代にバワが雇った建築家アシスタントが住んでいた場所。

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▲ギャラリールーム。もとはバワのコレクションを保管していた部屋▼

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▲ギャラリールーム

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▲グラスルーム。その名のとおり、部屋の側面がガラスで覆われ、日中は自然光が差し込み、風もよく通る開放感のある部屋。グラスルームの壁にかかる絵画▼

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なお、ルヌガンガは、宿泊者以外は部屋のあるエリアに入ることはできず、部屋内部も見ることができません。宿泊者以外は庭園部分のみ見学が可能ですが、事前にガーデンツアーの予約が取れている必要があります。

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▲ガーデンルーム(こちらは見学のみ可能・宿泊不可の部屋)
出典:Geoffrey Bawa Trust